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THE BOARDに集う、挑戦者たちの叡智が集います

経営者インタビュー

株式会社ファンバウンドの事業概要

 
  • 事業内容: 1泊10万円以上するような高級民泊の開発・運営に特化。
  • 代表: 大門 氏 (元々は海外でインフラ系の仕事をしていたサラリーマン)。
  • 創業のきっかけ: 2016年に帰国後、大阪のインバウンド需要の急増を目の当たりにし、インバウンドビジネスの可能性を感じた。

 

創業の経緯とビジネスモデルの確立

 
  1. 最初の事業: 資金がなかったため、大阪・難波のビルの8階で荷物預かりサービスを開始。しかし、初月の売上はわずか500円だった。
  2. ピボット: 集客のため、民泊の法律(国家戦略特区法)を活用し、宿泊者の本人確認を代行するチェックインサービスを開始。
  3. 成功への気づき: 半年で約300室のチェックインを代行する中で、「大人数で泊まれる高単価な施設」(特に中華圏や東南アジアの富裕層ファミリー向け)が高い収益を上げているデータを発見。これが高級民泊事業の着想となる。

 

成功の鍵となった「外国人目線」

 
  • 常識への挑戦: 当時、「大阪で高単価な宿泊施設は失敗する、成功するのは京都だ」というのが業界の常識だった。
  • 独自の視点: 大門氏は、チェックイン代行業務を通じて**「外国人にとって京都は大阪(関西圏)の一部」**であると分析。長期滞在の拠点として、交通の便が良い大阪にこそ高単価・大人数施設のニーズがあると確信していた。
  • 結果: この仮説が的中し、大阪での高級民泊事業は大きな成功を収めた。日本人の視点ではなく、ターゲットである外国人の視点で市場を捉えたことが最大の勝因だった。

 

創業期の課題と資金調達

 
  • 最大の危機: 2018年5月の**「エアビーショック」**。違法民泊が一斉にサイトから削除され、自身のチェックイン代行事業の売上が9割減になる危機に直面。
  • 危機をチャンスに: このタイミングを見計らい、合法的な高級民泊の1号店をショックの1週間前にオープン。競合が消えたことで予約が殺到し、事業転換に成功した。
  • 資金調達の壁: 事業の新規性から金融機関の融資を断られた。最初の物件(改装費約4,000万円)は、知人の経営者からの個人的な投資によって実現した。
  • 実績の重要性: この1案件目の成功実績が、その後の金融機関からの融資につながった。

 

事業哲学と今後の展望

 
  • 開発手法: 「世の中に全く新しいビジネスはない」という考えのもと、成功している旅館などの良い部分を徹底的に研究し、組み合わせて模倣する(パクリの哲学)ことで、顧客に響く施設を開発。
  • ニーズの深掘り: 日本人と外国人では設備のニーズが全く異なる点を深掘り。
    • 例(お風呂): 日本人にとっては「体を洗う場所」だが、外国人にとっては「ラグジュアリーなスパ体験の場所」。このため、複数人で入れる設計や写真映え、水着の提供など、独自の工夫を凝らしている。
  • 目標: 高級民泊の代名詞(焼肉業界の「叙々苑」のような存在)になること。
  • 拡大戦略:
    • 目標施設数: 100店舗
    • 展開方法: 東京・大阪は直営、その他の主要都市(札幌、福岡、沖縄など)はフランチャイズ形式で展開予定。
    • 投資家との連携: セミナー等で投資家を募り、二人三脚で事業を拡大するビジネスモデルを構築。コロナ禍を乗り越えられたのも、このリスク分散モデルのおかげだった。
  • ブランド戦略: マリオット・インターナショナルと提携し、同社のサイトに全施設を掲載。ブランド価値の向上を図っている。

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